実は管理が一番難しい!?

切り接ぎ作業が終わるとひと安心…ではありません!
実はここからの管理の善し悪しが、成功するか失敗に終わるかに大きく影響します。

苗作りというのは、ある程度育つまでの管理こそ大事です。

うまく接げたように思っても管理でだめにしてしまうこともありますし、逆に管理が良くてしっかりした苗に育つ場合もあります。
ぜひご自分の環境でベストな所を見つけてあげてください。

ポットを置く場所について

向いている置き場所は?

管理する場所は、最低気温がマイナスにならない地域であれば、風があたりにくい外でもかまいません。

マイナスになる、また風当たりが強い場所しか無い場合は、箱などに入れて窓辺に置き、不織布やビニール袋をかけるなどできるようにします。
不織布だと、適度な明るさと湿度、温度を保てるのでお勧めです。

ポットに植えられた切り接ぎ苗は、活着が弱い苗も育ちやすいので、長い間枯れていないように見える芽もちょっとの環境の変化などで枯れてしまうことがあります。
湿度や温度など、ある程度芽がしっかり伸びるまでは気をつけてください。

最初は直射日光には当てないようにします。(昼間の室内程度の明るさは必要です。)
穂木の水分が奪われてしまい、失敗してしまうことがあります。

苗がたくさんある場合は、会員様の多くは衣装ケースを利用しています。
簡易のビニールハウスみたいな感じですね。
外で管理する場合は、雨があたらない場所に置いて、上を不織布などで覆うのがお勧めです。

温度や湿度、水管理について

温度と湿度は高くなりすぎないように注意してください。蒸れてダメになることもあります。
逆に乾燥で湿度が保てない場合は、ピキャットクリアを30~50ppmで定期撒布しましょう。

水やりは、芽がまだ伸びていないのでほぼ乾くことはありませんが、鉢の中の水が腐らないよう、数日に一度おこないます。

芽が伸びてきたら

肥料遣り

肥料は芽が吹くまでは与えません。
芽が吹いて葉っぱが展開してくれば、まずは薄い恵海から与えていきましょう。
芽が5~10cm位伸びたら、ぼかし肥料を少量与えていきます。

気をつけるべきは幼苗時の肥料過多です。
苗として立派に仕上げようとしてしまい、どうしてもここで肥料過多にしてしまう人が多く出てしまいます。

苗という完成品はありません!

いくら大きくとも太っていても、それは苗の価値ではありません。
苗の価値とは「伸びしろ」です。

それを大きく阻害する肥料過多には絶対にしてはいけません。
4月中旬まではじっくりと育てていってください。

直射日光に慣らす


5cmほど芽が伸びたら、少しずつ直射日光に慣らしていきます。
最初は直射日光に慣れていないので、シュートがダランとしてしまうことが多々あります。
少しずつ慣らしてあげてください。
慣らしてもダランとした場合は、日陰に除け、水をタップリと与えてあげれば元に戻ります。
湿度環境がまったく違う所に移す場合は、まずは、乾燥に耐えられるようになってから直射日光にトライしましょう。

この過程で、苗は水を一生懸命摂取しようと根を頑張って伸ばします。

葉がしっかり展開しているくらい伸びている場合は、3芽くらいを残して切り戻し(ピンチ)してあげると乾燥にも耐えやすく根も伸びやすくなります。
新芽の部分はもっとも水分を必要とし、なおかつ奪われやすいので、苗の負担を減らし生長を促します。

外に出すときには風に充分気をつけてください。
支柱などを立て、風が強いときは風を避けてください。
枝折れのの被害だけでなく、風は急激な乾燥を起こします。急激な乾燥に幼苗は耐えられません。

外での置き場所

苗の置き場所は、日当たりが良く、風当たりが強くない場所です。
それと、土の上に直置きは良くありません。

こちらはピーキャット農場の新苗管理ハウスです。
黒いパレットが敷いてありますよね。
新苗を植えたポットはトレイに並べられ、このパレットの上に乗せて育てていきます。

パレットの間には防草シートが敷かれて通路になっていますよね。
新苗を植えたポットを防草シートに直接置けば、新苗の根は防草シートを簡単に突き破っていきます。
ポットをトレイに並べると1cmほど防草シートとの隙間ができますが、それでも新苗の根は防草シートを突き破っていきます。

それぐらい、バラの根は伸びていきます。
防草シートを突き破ってしまうと、主要な根は防草シートの下の地面に張っていきます。
そうなると、ポットの中の根は機能していない根だらけ…
これではいけませんよね!

だから、ピーキャット農場の新苗ハウスはパレットを敷いています。
高さ15cmあるので、これだと安心です。

皆さんもポットの置き場所はしっかり考えていってください。
ポットからはみ出した根が地面に張っていかないようにしていきましょう!

あと、わからないことや質問、相談などあればお気軽にお問い合わせください。

てんちょーがやってみた切り接ぎ苗管理例