
当店の推奨するピーキャット流有機栽培では、農薬を使わないバラの病害虫対策の要としてピキャットクリア(次亜塩素酸水)での洗浄作業をおこないます。
農薬の殺菌剤や殺虫剤のような全て死滅させるという考えではなく、病原菌や害虫の絶対数を減らし有用菌や益虫を生かすことで病害虫被害を無くしていくことを考えていきます。
ピキャットクリア単体では病気予防のみです!
次亜塩素酸水であるピキャットクリア単体では虫への効果はありません。
アブラムシにかかってもへっちゃらな顔をしています。
▼ピキャットクリアについてはこちら▼
ピキャットクリアは自然保護・生態系保護を考慮した植物栽培のために作られた次亜塩素酸水です ピキャットクリアで有機栽培や無農薬化の実現へ! 植物の病気は大半が糸状菌(カビ菌)によるものです。 うどんこ病、黒点病、ベト病、灰 …
虫の退治も同時に狙う場合は、スカッシュという展着剤を混ぜ、気門封鎖で物理的に対処します。
▼スカッシュについてはこちら▼
主成分に食品添加物をベースに用いた機能性展着剤、スプレー・アジュバントです。特にハダニ、アブラムシ類、うどんこ病などの防除困難な病害虫に対し、殺虫剤・殺菌剤への加用で薬効を安定・向上させます。
ピキャッシュの散布の様子を動画で見る
ピキャッシュとは、ピキャットクリアにスカッシュを混ぜたものの呼び名です。
農場でのピキャッシュ散布の様子です。
ピキャッシュは洗い流すようにたっぷり撒くことと、軽装で気軽に散布できるということが、少しでも皆さんに伝わればと思います。
農場では、ピキャットクリア50ppmもしくは100ppm液にピキャットCaとスカッシュを混ぜて散布を行っています。
主に、曇りの日を狙い、なかなか日に恵まれない場合は、早朝か、気温の下がってきた夕方に散布し風通しを良くします。
葉の表裏にしっかりかかるように丁寧に散布します。
しっかりかかれば、ホソオビアシブトクチバの2cmクラスでも余裕で退治できます。
農場の台木も次亜塩素酸水のピキャットクリアで洗浄!
台木も農薬不使用で元気です!え?どこに台木が植わってるんだって?
草だらけなのは除草剤を使ってない証拠という事で…#バラ #次亜塩素酸水 #無農薬栽培 pic.twitter.com/BtZ4hop6UM
— てんちょー🌹ゆうきの園芸ショップ (@pcatrose) October 8, 2022
より効果を出すためのポイント!
曇りの日がピキャッシュチャンス!
基本的に植物の葉を濡らすときは、曇りの日がおすすめです。
薬液の極端に早い乾きを抑えられるのと、逆に、長く濡れていても葉を傷めにくいためです。
また、ピキャッシュ散布の場合は、特にピキャットクリアが紫外線に弱いので、紫外線による失活(効果を無くすこと)を防ぐこともできます。
散布間隔は関係なし!叩きたいときは徹底的に叩いてOK!
ピキャッシュは農薬のように使用回数に制限はありません。
次亜塩素酸水は菌に耐性を持たせません。気門封鎖も害虫に耐性を持たせません。
ですから、病害虫を叩きたいときにいつでも叩けばOK!
濃度を上げずに散布量を増やして効果を高める!
効果を高めようと、どうしても液の濃度を上げたくなってしまうところですが…
もっと効果的な方法は濃度を上げるよりも散布量を増やすことです!
濃いものを1度きり散布するよりも、薄いものをしっかりたっぷり散布したり、回数を増やした方が効果は何倍にも高まります。
月齢に合わせた散布タイミングでより効果を高める!
生き物の産卵や活動は満月や新月に合わせてより活発になります。
そのため、(週1ペースならば)満月・新月の3日前と満月の4日後など、その前後のタイミングで散布できると、害虫の絶対量を増やしにくくすることが出来ます。
とはいえ、その虫の活動が活発になる時期は月の状況に関係なく常にやっては来ますので、定期的な散布に加えて、月齢を意識した散布ができるとより効果的ということになります。
水温によっても効果に違いが出ます!
次亜塩素酸分子は温度が高まると活発に運動します。
40℃以上だと失活も早くなるので、一番効果が高くなる理想的な温度は30~36℃程度です。
水温が冷たすぎるときは、すこ~しお湯を足してピキャットクリアを作ると、より効果が出やすくなります。
冬場の寒い時期などは栽培では体内洗浄でピキャットクリアを使用しますが、水を吸い上げにくい株(化成で育った株や弱っている株)の場合は、ピキャットクリアの温度を上げてあげる事で、体内洗浄をスムーズにします。
これは余談ですが、次亜塩素酸分子は人間の白血球にも存在して侵入した菌やウィルスを撃退しています。
体温は次亜塩素酸分子がとても活発に運動している温度です。
よくできてますね!
紫外線や有機的汚れに注意!失活する可能性があります
ピキャットクリアを入れる容器内は土汚れが無いように、そしてお庭で長期間紫外線が当たるところに置く場合は、遮光容器を使ったり、日よけをするなど気をつけてください。
除菌を担う次亜塩素酸は、有機汚れや紫外線が天敵となります。
なんと!雨後の葉っぱが濡れているときが絶好の散布機会!
農薬などの感覚では、葉っぱが濡れていると散布している薬剤が薄まって効果が出なくなると考えますよね?
確かに農薬ではこれは正解です。
ですが、次亜塩素酸水は「濡れ性を発揮できるのでラッキー!」と考えます。
濡れ性とは、葉っぱが濡れていて薬液を弾かないということです。
葉っぱが濡れていると効果を強く出せるので、農薬では良くないとされている2度撒きもピキャットクリアでは効果的!となります。
撒くときは周囲も一緒に!
ピキャットクリアやピキャッシュを撒くときは、バラにだけではなく、周囲も一緒に洗い流すような感じで、鉢や壁、地面に向かって撒くようにもします。
次亜塩素酸は有機物に当たればほぼ水になりますので、環境に及ぼす影響はありません。
周りに浮遊している病原菌の胞子も一緒に減らして、病気へのリスクを少しでも減らしていくことが大切なポイントです。
ピキャッシュ関連のよくある質問
- Q.ピキャッシュ散布の時はしっかりとした装備が必要ですか?
- A.動画を見ていただくとわかるとおり、農場での通常作業スタイルとしてできる限り肌は出さないようにはしていますが、マスクや手袋などは特別してはいません。
ですが、スカッシュは農薬登録されいている展着剤ですので、ボトルに記載されている使用方法などは良くお読み下さい。
肌の弱い方や、アレルギーなどのある方は医師にご相談いただくなど特にお気をつけ下さい。スカッシュを混ぜない、ピキャットクリアのみの場合は、肌や体への負担はありません。
- Q.ピキャットクリアに混ぜられるものは何がありますか?
- A.ピキャットクリアは、有機物と混ぜると急速に失活して効果が薄くなったり、思わぬ化学反応をしてしまうことがありますので、何かと混ぜて使用することは厳禁です。
(当店で確認できているピキャットCa、スカッシュとの混合は、殺菌効果を失わず安全にご使用いただけます) - Q.全然虫に効果がみられません…
- A1.液が正しい希釈になっていない可能性
植物にも負担が少なく、一番効果が認められるのは、ピキャットクリア100ppmにスカッシュ1000倍液です。
ピキャットクリア50ppmにした場合、葉への負担はより優しくなりますが、スカッシュの効果は100ppmの時よりも劣ります。
(100ppmだとポロポロ死滅するアブラムシが、50ppmだと大きく元気なモノは生き残ることが見られる場合があります)
また、スカッシュが1000倍以下になっていても、効果が発揮できません。
スカッシュの原液は非常に粘着性の高い液ですので、数ミリで混ぜなければならない量の場合は、計量器にスカッシュが残ってしまい、液の濃度が1000倍になっていない可能性が考えられます。
数ミリで混合する場合は、プラス1mlで計量して液を作ることをお勧めしています。A2.液が対象にしっかりかかっていない可能性
ピキャッシュは、窒息で虫を退治するものです。
ですので、しっかりと液が対象にかからないと効果はありません。
たくさんスリップスが発生している花には、ピキャッシュを花に流し込むくらいの方法で退治する必要があります。
また、オオタバコガなどの幼虫は、新芽の小さな葉の間や隙間にいることが多く、なかなか液がかかりません。
そういった虫は、目で見つけて捕殺してしまう方が早いでしょう。 - Q.どれくらい間隔をあけて散布するものですか?
- A.上記のポイントにもある内容ですが、ピキャッシュは除菌水と展着剤ですので、一般的な化学農薬のような制限はないため散布間隔や回数に決まりはありません。
ただ、展着剤の連続散布は葉への負担も大きくなります。
虫への効果を必要としない場合は、スカッシュを混ぜずにピキャットクリア単体で洗うように散布するだけでも効果があります。農場では、春以降、およそ1週間に一度のペースで散布を行っています。
- Q.薬害が出てしまいます…
- A.葉へ何かを散布するということは、少なからず薬害症状を起こす可能性のある作業です。
葉っぱが若かったり弱い時期、日差しが強い時間帯は特に薬害が出やすくなります。
これは薬剤によるモノではなく、物理的にも起こることです。
薬害対策は農薬散布と同じで、日差しを避けるか、濃度を低くするか、作物にしっかり水を吸わせてからおこなうなどしてください。また、品種的にどうしても相性の良くないバラもあります。
その場合は、ピキャットクリアだけの散布にして、虫にはガーディアンコートでの対応をオススメします。 - Q.黒点病が止まりません
- A.バラの黒点病は、黒い点を目視できたときはすでに葉にたくさん菌が入り込んで増殖している状態です。
ピキャットクリアを葉に散布するだけでは葉の内部にまでは入りませんので、そうなってからピキャットクリアの散布のみで黒点病を止めることはほぼ不可能です。黒点病は水を介して、葉の気孔から菌が入ります。
雨の後は爆発的に菌が増えますので、まだ葉が濡れている状態でも構わずにピキャットクリアで洗浄を行うことが1番効果的です。
黒点病菌を減らすことが出来ます。
菌の数を減らすことができれば、バラが強く育っていれば、バラの体内にも入り込まれにくくなります。
また、黒い点が出てしまった葉が、きれいに元通りになることはありません。
菌を増やす元になりますので、病葉は早めに取り去りましょう。
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また、今後も随時良くいただく質問はこちらに追加していきます。