
大苗を植えるのは難しくありませんが、バラの休眠期で癌腫病対策をしっかりやれるチャンスですので、しっかり対策しましょう!
道具の準備
鉢
鉢は、スリット鉢(とんでもないPOT)はどなたでも育てやすい鉢でお勧めです。
水抜けがとても良く、スリット効果でサークリング現象が起こりにくいので、鉢の中の土を中心部まで使うことが出来ます。
サイズはCSMタイプで7号~8号ロング(CSM-L)くらいがお勧めです。
可愛い素焼き鉢などでお庭に飾りたい場合も、スリット鉢に植えてから鉢カバーのようにして素焼き鉢を使うと、植え替える際も重たくなくて割る心配もなくお勧めです。
道具
・培養土(小粒赤玉土、堆肥)
スリット鉢の土の容量は以下の通りです。
7号:4.3L 7号ロング:5.1L 8号:6.1L 8号ロング:8.6L
・クリプトマルチ、またはココファイバー
・土を入れるスコップ
▼その他…
苗の準備
(土が付いている場合)大苗を水洗いします
付着している土はしっかり洗い流してください。
土が落ちにくい場所は、水圧で洗い流していきます。
ただし、根を傷めすぎないようにやりすぎは注意です。
ピーキャットでは根を傷めつけてでも土は落としきりますが…
あとでピキャットクリアをたっぷり散布しますので、そこまで神経質になる必要はありません。
根の先を軽く切りましょう
根の先は黒く傷んでいることが多いので、先だけ軽く切っておきます。これで根も出やすくなります。
傷みが激しい大苗の場合は、少し長めに切ります。
また、根が鉢に収まらないほど長く太い場合はあらかじめここで切っておきましょう!
少しでも根を残した方が有利なわけではありません。
ピキャットクリア洗浄します
100ppmのピキャットクリアを株全体にまんべんなく噴霧して洗い流します。特に根にはしっかり噴霧しましょう!
作業はなるべく日陰で行ってくださいね。
後で体内洗浄する場合でも、まずは洗い流してください。
体内洗浄もしくは水に浸ける
体内洗浄する場合は、ここでおこないます。
方法はこちら→体内洗浄
体内洗浄しない場合は、水を入れたバケツに苗の根の部分を浸けて株に水を吸わせます!
1~2時間程度は浸けておきましょう!
ネコブ線虫のコブがある場合は木酢液を使う
ネコブのコブがみられる場合は、コブを綺麗に取って、木酢液200倍をバケツに作って根を1〜5分ほど浸からせます。
浸けた後はしっかり水で洗い流します。
植え付け作業
土を準備する
まずは培養土を作ります。
数鉢分をまとめて作る場合は、しっかり混ぜ込んでください。
これは、赤玉土とMIX堆肥を混ぜるだけ!
品種に合わせて、配合を変えていきましょう。
鉢バラ用培養土には、なんといっても当店がプロデュースしたMIX堆肥がオススメです! 良質な動物性堆肥と植物性堆肥をバランス良く配合しているので、割合を変えて配合すればさまざまな植物にも使用できる高品質培養土が出来上がります!
作り置きした培養土は分離している場合があります。
袋から直接鉢に入れず、まずはタライやバケツに入れてしっかり混ぜます。
混ぜる癖を付けてくださいね!
乾燥している場合は水を弾いてしまい吸水力がかなり劣っています。
全体的に水をかけて良く混ぜ合わせ、吸水性を取り戻してから使用しましょう。
植える鉢を準備する
まず、 スリット鉢のスリット部分を隠すようにクリプトマルチを敷きます。
これはスリット部分からの土漏れを防ぐためです。
ちなみに、鉢は8号CSMスリット鉢です。
土を少し入れて端のほうへもしっかりと入れ込みます。
用意した苗を配置する
写真は輸入裸苗のイングリッシュローズです。
品種によって、根の多さや長さが変わってきます。
株の向きがバランスよく上に向くように位置を決めます。
あと、なるべく株を中央に持ってきたほうが、後々、格好良く咲きます。
株が曲がってて、どうしても中央にこれないときは、枝がまっすぐに向けるようにします。
根は一箇所に固まらないように配置してあげるのがベスト!
しかし、神経質になる必要はまったくありません。
首の高さもこのときに大体決めるようにします。
このように、異様に根が長い大苗もあります。
半分ほどに切って、整理しても構いません。
ごぼうのような太い根などは、機能の高い根を伸ばしやすくさせるために清潔なはさみで適度な長さに切りましょう。
もったいないように感じるかもしれませんが、根はすぐに伸びてきますので、あまり気にしなくて大丈夫です。
癌腫の感染が疑わしい苗の場合は、根は必要以上に残さない方が癌化細胞を減らすことが出来ます。
まず土を入れる
土をざざっと入れます。
株は手でしっかり固定しておいてくださいね。
根の間に土を入れる
さらさらした良い培養土ならば、根の間にも容易に入ります。
ただし、根が混んでいたりすると上から土を入れただけでは隙間に入り込めないこともあります。
株を固定しながら、指で、根の間に土を送り込んであげましょう。
ですが、神経質にならなくても水を与えれば土は入っていきますので…
このとき、しっかり土が入れば 株がぐらぐらしないようになります。
さらに土を入れる
株を抑えながら、土を入れていきます。
きちんと植え終わるまで、どちらかの手は常に株を中央に固定しておくことが大切です。
土を入れてならす
スリット鉢だったら、上のふちのくぼみくらいまで土を入れます。
少し多めに入れて、
・鉢横をトントンとたたく
・上から少し押さえる
を1~2度繰り返します。
土が多かったら取り除き、少なかったら足してください。
完成
できあがりです!
たっぷりと2~3度水を与えてください。
剪定は2月頃!
秋に植えても冬に植えても剪定は冬にします!
大苗はほとんどが枝の高さを揃えて機械でバッサリ切ったり、少し長めの適当なところで切られていますので剪定は必要です。
まれに異様に短く剪定してしまう方がおられますが…
春の動きが良くてもその後で悪影響になることがあります。
長いままにしておいても、春に株が大きくなりすぎて倒れやすくなったり、水が切れやすくなったり、株に負担をかけることになります。
良い芽のところで、品種に合わせた通常通りの剪定をしてあげましょう。
剪定したらカルスメイトで切り口保護も忘れずに!
切り口から樹液が出てくることがありますが、これは元気な証拠!
大苗で樹液が出るのなら、良い苗に当たったということです。
乾燥対策は不織布をかけてあげましょう
まだ十分に水を吸えない大苗は、強い陽差しで枝が焼けたり、寒風で乾燥したりしてしまうことがあります。
苗に軽く不織布をかけてあげると安心です。
全体的に緩く覆ってあげるようにします。
風で飛ばされないように、洗濯バサミ等で鉢と固定してあげるといいですね!