10月10日、幕張メッセでおこなわれていた農業Weekに行ってきました。

農業、畜産、ガーデンが一堂に集まり、大盛況でした。

そんな中…農業ブースの一番目立つところにNTTデータの大きなブースが!NTTデータはスマート農業に参入していて、素晴らしいブースでした。
私は農家になる以前はコンピュータシステム開発のSE、システム構築をやっていまして、NTTデータとはある大手企業のシステム開発で同じプロジェクトになったことがあります。それが農業で鉢合わせするとは(*^▽^*)
まあ、私は今はしがない零細農家ですが…お相手は天下のNTTデータ…
時代の流れを感じ、封鎖的な日本農業が変わりつつある現状に大きな期待を見いだすことができました。

また、農業ブースの多くは着実に脱農薬、有機栽培化が顕著に見られ、土壌消毒→化成肥料→農薬散布という長年呪縛されていたように続いた慣行栽培の慣例的な技術は姿を無くしていました。
心配していたコロナで有り余ったエタノールが低濃度エタノール土壌消毒で出展されていなかったのには一安心です。

それにしても、慣行栽培の有機化が際立って目立つ!

これで脱農薬となれば、慣行栽培はすべて有機JAS以外の有機栽培にしか見えなくなります(*^▽^*)
ただ、残念なのはガーデンは目新しいモノが無く、新しいかと思いきや農業からの転用などばかり…ガーデンが下火なので、なんとか盛り返していきたいところです。

驚いたのは、スマート農業よりも脱農薬、有機栽培化の流れがとても強く感じられたことでした。従来であればとても口に出せない農薬の危険性や有機栽培の優位性などが平然と話されていました。これも時代の流れがそうなってきたのでしょう。
「有機栽培と慣行栽培では、明らかに作物の栄養分は有機栽培が上!」をど真ん中のブースでやっていたのは圧巻でした(*^▽^*)もう言って良いんだと…
また、農機レンタルや人材派遣のブースもあり、新しい農業のカタチや他業種の農業参入がとても垣間見えました。

思い返せば20数年前…
私がIT業界から農業の世界に入ったとき、時代錯誤してしまいそうな農業の封鎖的な思考や井の中の蛙状態にまったく付いていけなかった経験があります。
農地を借りたら小作人扱い、それほどの規模ではないのに初期投資で1000万を超えさせようとする意味不明な提案、新規就農だと言いながら絵空事だと話す自治体、農地を借りての新規就農なのに農地を担保に金を貸すと言いだすJA、生産&販売の当店なのに生産のところの事業計画しか理解できない支援センター…
炎天下で作業しても休憩所すら作れない農地法、近隣の農地から散布される農薬の飛来、無農薬や有機栽培は常に白い目で見られ…

今も「いつの時代?」と思わせることはたくさんありますが、20年前はあまりものギャップにうろたえてしまうことも多々ありました。今は稀に一部の高齢農家や慣行農家の言葉にギャップを感じることはありますが、現場はとても先進的になってきています。

そして、結局は慣行栽培の有機栽培化が顕著になってきています

土壌消毒に頼らず土壌の生物多様性を活用する土作り、人体に毒性を持つ農薬成分を持たない農薬の使用や減農薬、脱農薬、有機肥料の活用など、慣行栽培が次々と有機栽培化しつつあります。
それが農業Weekのブースで顕著に見えていたのがとても印象的でした。
そうなると、慣行栽培と有機栽培の区別は付きにくくなるので、農薬不使用栽培や化学肥料不使用栽培という呼び方のほうが良いのかもしれません。
一方、私は農薬残留基準値に載っている農薬成分を使わない栽培を無農薬栽培とし、科学的根拠では化学肥料には何も問題ないので補助的に化学肥料を使う有機栽培を推奨しています。

どちらにしても、一部の高齢農家や慣行農家を除いては、慣行農家も減農薬、脱農薬に動いていて、有機栽培の良いところを次々と導入し、有機栽培と変わらない栽培技術を有している農家が増えてきています。
その原動力は、農業Weekに見た他業種からの参入!

土壌消毒→化成肥料→農薬散布という悪しきマニュアル栽培が新しい技術へと変わっていくこれからの時代!
ですから、行政や自治体がもう少ししっかりしてくれることを私は期待しています。