皆さんは今まで、ガーデン技術ありきの栽培技術をピーキャット流有機栽培から習ってきました。これはバラを主役とした技術で、すべてはバラのためにガーデナーがどうすべきかという技術です。

次に皆さんは栽培技術ありきのガーデン技術を習います。
これはガーデン、ガーデナーを主役とした技術で、皆さんの本当にやりたいガーデン、ガーデニングを実現するための技術となります。

でも…

なんのこっちゃ、よくわかりません(*^▽^*)

という人もいるかと思います。だから、ムッチャわかりやすく解説します。

「このバラの品種は短めに剪定したほうが春の開花に有利になる!」

これは栽培技術でしょうか?それともガーデン技術でしょうか?
植物を育てる上でのことだから栽培技術だと思うけど、でもガーデン技術っぽいよなあ…

答えはガーデン技術です!
上記の言葉をもっと詳しくすると…
「バラの品種以前に、バラの剪定位置はバラの状況、生育具合、環境や条件などで最適な位置は変わってきます。ただ、初心者の方やこの品種に慣れていない人は剪定位置の判断が難しいと思いますので、この品種の特性である短めに剪定した方がこのバラの品種には有利であることを考慮し、短めに剪定すべきです」

こうなります(*^▽^*)

もうひとつ出しますね。

「ハイブリッドティでの鉢植えの培養土は基本用土7:堆肥3にします!」

これは栽培技術でしょうか?それともガーデン技術でしょうか?
ピーキャット流有機栽培でハイブリッドティに見合う基本用土と堆肥の割合は7:3と習ったから、これは栽培技術だ!と思いがちですが…

答えはガーデン技術です!
上記の言葉をもっと詳しくすると…
「バラの系統以前に、バラの培養土はバラの状況、生育具合、環境や条件などで最適な配合が変わります。ただ、初心者の方やこの系統に慣れていない人は最適な配合の判断が難しいと思いますので、この系統の特性である開花時期には肥料を効かせたほうが開花に有利であることを考慮し、堆肥を多めに配合します」

こうなります(*^▽^*)

さて、皆さんはこれを聞いて疑問に思うことや知りたいことはありませんか?

■どうしてバラの状況、生育具合、環境や条件などで最適が変化するのですか?
■どうしてこのバラは短めに剪定した方が春の花に有利なんですか?
■どうしてハイブリッドティは開花に肥料が効いている方が有利なんですか?
■どうして基本用土と堆肥の配合で堆肥を多くすると肥料が効くのですか?

これ、すべて栽培技術です。
■バラの状況、生育具合、環境や条件などで最適が変化する科学的根拠
■短めに剪定した方がこのバラの品種には有利である仕組み
■ハイブリッドティは開花時期には肥料を効かすべき特性の根拠
■基本用土と堆肥の配合を変えることの効果と影響

私は栽培技術側なので、今までピーキャット流有機栽培ではこのような解説を続けてきましたよね。
栽培技術はガーデンでおこなうことの「なぜなら?」にすべて答えています。「なぜなら?」は言い方を変えると根拠となります。

では、先ほどのハイブリッドティの培養土の配合を栽培技術ありきのガーデン技術で解説しますね!

まず、ガーデン技術はガーデナーがどうしたいのか?から始まります。
■初心者なのでまずは秋に花を楽しむことを第一にしたい!
■大きな鉢に植えて来年には仕立てバラにしたい!
■地植えするための生育なので株立ち優先にしたい!
■この花を是非とも堪能したいけど大きく育てたくはない!

いろいろな選択がありますよね!これがガーデナーのニーズであり、それを叶えるのはガーデン技術です。

でも、栽培技術としての栽培技術(根拠)もいろいろあります。
ハイブリッドティですから、花のために肥料はがっつり効かす必要がありますので、そのために地力は上げないといけません。
でも、花を重視しないのであれば地力を下げてもハイブリッドティは栄養生長させることはできます。でも、その代わりに花は咲かせないか早めに切る必要があります。
株立ちを良くするためには栄養成長のタイミングでサイトカイニン優勢でありたいですね。ならば、意識的に地力を下げた方が有利になります。
地力の上げ下げは有機栽培では基本用土と堆肥の割合で作っていきます。ハイブリッドティなので地力のMAXを6:4とし、9:1まで落とせます。

さて、新苗を鉢に植え込む際の培養土の基本用土と堆肥の割合は何がベストでしょうか?

そんなもん、ガーデナーの意志で変わるじゃねえか!(`Д´)

ですね、これが栽培技術ありきのガーデン技術です(*^▽^*)

バラの先生にはどの系統、どの品種にも見合う最適な配合のバラの培養土があるそうですが…
私は持ってないです(*^▽^*)
だって、ガーデナーがどうしたいのか?はガーデナーそれぞれ違いますからね。私は神様じゃないので、そういう神々しいモノは持っていません。

でもね、それだと初心者の方々は困るので目安を用意します。
それがハイブリッドティは配合7:3という目安です。これ、正解とかではなく単なる目安です。

でも、皆さんはすでに初心者は突破しているわけですから、ガーデナーニーズに合わせてガーデン技術を使っていきましょう!

たくさんのバラを楽しみたいまるちゃんは
■この花を是非とも堪能したいけど大きく育てたくはない!

新苗をしっかり育てて来年の春に大事な人にプレゼントしたい人は
■大きな鉢に植えて来年には仕立てバラにしたい!

初心者なのでまずは秋の花を堪能してみたい人は
■秋には花を楽しみたい!

オープンガーデンでひときわ輝かせたい人は
■地植えするための生育なので株立ち優先にしたい!

じゃあ、どうする?
ほら、培養土の配合から変わってくるよねえ!施肥も病害虫対策も変わってきます。

どや顔で先生気取りするのはもう時代遅れなんですよ。
バラのガーデニングも多様性の時代!←パクりポイント

そういう時代が来るのがわかっていたから、ゆうきの園芸ショップは売上げ絶好調の鉢バラ専用培養土の販売を簡単に捨てちゃったわけですね。

まあ、これはガーデン技術のほんの一部ですが、感じだけでも掴んでもらえたかな?

そもそも、栽培技術って不変のモノなんでバラの先生がパクってどや顔するモノではないんです。
バラの先生がどや顔すべきは…内緒です(*^▽^*)

ガーデナーの皆さんも、ああじゃなきゃこうじゃなきゃとか、どこぞのバラ園とかSNSで見た写真を正解だと思うような単一的な思考から離れ…
ガーデナーニーズという多様性の時代に向かっていきましょう!

ピーキャット流有機栽培を多様化されたガーデナーニーズでどう使いこなしていくべきか?
それが栽培技術ありきのガーデン技術なのです!

どうでした?難しかった?