「病害虫が発生しそうなら?」→【農薬散布】
「病害虫が発生したら? 」 →【農薬散布】
「病害虫が蔓延しそうなら?」→【農薬散布】
これが従来の慣行栽培による病害虫防除です。
無農薬、有機栽培では、病害虫防除は1~6のすべてのカテゴリーでおこなうことになります。
その際必要なのは、「発生要因」と「蔓延要因」に分けて考えていくことです。
発生要因というのは、これは病害虫が発生してしまう原因ですね。
でも、病害虫が発生すれば必ず蔓延するでしょうか?
「もちろん、一気に蔓延するよ!」
そういう方は、蔓延要因があるからです。
実際、発生しても蔓延するとは限らないのが病害虫です。
病害虫ごとに発生要因と蔓延要因を探して対処すれば病害虫は防除できる!
これをわかりやすく、土壌病原菌の根頭癌腫病で解説します。
根頭癌腫病で解説
発生要因
根頭癌腫病の発生要因は、「感染苗の持ち込み」です。
土壌病原菌は常在菌ではありません。どこにでも居る菌とは違います。
感染苗を持ち込まない限り、他に感染し発症することはありません。
よって、発生要因への対処は「感染苗を持ち込まない」となります。
しかし、その苗が感染しているかどうかわからないことが多々あります。
そういう場合は、「体内除菌でバラ体内の癌腫菌を居なくしてから持ち込む」という方法をとります。
体内除菌は、2.除菌・洗浄になります。
蔓延要因
次に蔓延要因です。
土壌病原菌である根頭癌腫病の蔓延要因は、「土壌中の媒体」にあります。
これは残留根や残留枝です。
この残留根などが生き残ることで癌腫菌は次々と感染し、土壌全体に癌腫菌が居着くことになります。
この対処は、残留根や残留枝の分解を即していきます。これがバイオセットの投入です。
この対処は、3.土作りになります。
剪定ハサミや鉢などからの2次感染も蔓延要因です。
ハサミは使うごとに、鉢は植え込む前にピキャットクリアで除菌していきます。
これで2次感染は防げます。
これは、2.除菌・洗浄になります。
土壌有用菌が乏しいことも蔓延要因となります。
癌腫菌は自然淘汰されやすい菌ですが、菌の生存競争が弱いところでは生き残ります。
化成肥料は使わず、堆肥をしっかり投入した土作りを行います。
これは、3.土作りになります。
このように、ひとつひとつ潰していけば、病害虫防除はそれほど難しくはありません。
今までの癌腫病防除
一方、従来の対策はバクテローズを使うという4.病害虫防除しかありませんでした。
・すでに感染した苗には効果は無い
・土壌に癌腫菌が多いと効果は得られない
・高価な農薬で適正使用できない
などなど、防除が難しいので市場では根頭癌腫病の苗が出回るようになっています。