バラの休眠期について説明していきます。

休眠期ですから冬ですね。
最低気温が4℃以下になるとバラは活動を停止しますが、これは厳密には決まっていません。
最高気温が7℃以下の日が続くと休眠期になりますが、これも厳密ではありません。
さらにこの状態が1週間程度続くと休眠すると言われています。

「バラが休眠しよう!と思ったとき」が休眠期!

バラも生き物ですから、気温ではなく体感温度で感じています。
いろいろな環境や条件で変わってきますので、アバウトになります。

沖縄を除く日本各地では、1月初旬ごろまでには休眠期を迎えたいところです。
しかし、都会ではなかなか休眠してくれない…1月に花まで咲かせたり…
ですから、無理矢理休眠なんてこともする場合があります。

バラにとって、休眠することはとても大事なことです。

バラの休眠とは?


バラは休眠すると地上部の栄養生長、生殖生長を止めます。
そして、葉っぱの付け根の弁を閉じて、葉っぱをすべて落葉させます。

これは、バラの防衛本能です。
こうすることで、バラは命を守り、次の年も元気に健全に育っていこうとします。
休眠期もバラにとっては大事な時期なのです。

ただ、地上部は止めますが、根は動いています。樹液も流れています。
ですから、土をカラカラに乾かすとバラは枯れます。注意してください。

休眠してくれないバラは?

「1月を超えても休眠してくれない…」

近年、とても多い相談ですね!
こういう場合の対処法は、葉っぱの付け根から(葉柄部分で)切っちゃってください。

少し引っ張っても取れない葉を無理にむしると、枝の皮まではげる自体になるので、その場合は切るのが正解です。

では、どうして冬になっても休眠してくれないのか?

・地球温暖化
・肥料過多でバラが鈍い
・新陳代謝が悪くて葉っぱを落とせない
・品種の特性
などがあります。

休眠期の栄養

休眠期のバラは、栄養をほとんど必要としません。
葉っぱに溜めたデンプンすら落葉させて捨ててしまうのがバラです。

稀にバラの休眠を熊の冬眠と間違えている方がいます。

「冬の休眠期の前に光合成をしっかりさせて栄養を溜めないと春の動きが悪くなる…」
「寒肥として肥料を土に混ぜる」

まったくの無意味です。
バラの場合、休眠期は土に含まれている堆肥の栄養分だけで充分に足ります。
堆肥が少しずつ分解されて、バラも少しずつ摂取して春に備えます。

「冬は少しずつ少しずつ春に向けて溜めている」のがバラなのです!

そして、無謀なやり方が枝枯れや根焼けの原因になります。

枝に必要以上の栄養を溜め込みすぎると、枝が腐ったり凍ったりしやすくなります。
春先にいきなり病気が出たり、害虫が寄ってくることもあります。
枝には芽吹きに必要な少しだけの栄養があればバラはOK!
意識して溜め込むなんてことをしてはいけません。

それと、土に肥料を混ぜた場合です。
冬は水やりをほとんどしません。ですから、土に肥料を混ぜると土の中の肥料濃度はかなり濃くなります。
この濃い状態の土にバラが植わっています。
冬なので地上部の動きがありませんから症状として見えませんが…根は確実に傷んできます。
まして、肥料は分解されず不衛生さのみが残ります。

・バラは、あえて栄養など溜め込む必要はない!
・冬に肥料はまったく無意味!害以外のなにものでもない!

こう考えてください。

休眠期の施肥

バラは休眠していますから、肥料はまったく必要ありません。
ですから、施肥コントロールすることはありません。

ただ、休眠期に入る1ヶ月ぐらい前まではピキャット・リバイバルの定期潅水は続けます。
土壌中やバラの栄養バランスを整え、メタボリックは改善しておいてください。


昔の栽培方法には「寒肥」というのがありました。
この寒肥は「堆肥」のことです。決して肥料ではありません。

ピーキャット流は、「土替え」もしくは「土のメンテナンス」と呼んでいます。

鉢植えは「土替え」ですね。
これをすることで、土は新しくパワーを得ることが出来ます。

また、「土のメンテナンス」は土替えしなかった鉢植え、そして地植えでおこないます。

これによりバラは、不活性ながらも動いている有用微生物が堆肥を分解した栄養を摂取します。
冬は根をゆっくり動かし、樹液を流す程度の動きですから、これで充分にまかなえます。

土替え、植え替えのベストシーズン


鉢の土を入れ替える、鉢増しするには最適なのが休眠期です。

ただ、近年は休眠期におこなわずに11~12月に済ませてしまう方が多くおられます。
この理由は、「冬は寒くて植え替え作業が大変なので、その前にやってしまおう!」ということです。

バラは強いのでなんとかなります。
でも、植え替えのベストシーズンは休眠期です。

剪定は休眠期の2月


11~12月に植え替えされる方は、仮剪定だけやっておきましょう。
仮剪定とは、地上部が負担にならない程度に切り詰めておくことです。

そして、本剪定はどの場合でも1月下旬〜2月中旬におこないます。
これは間違わないようにしましょう。

冬もピキャットクリア消毒


冬は葉っぱが無いので、ピキャットクリア100ppmを枝にしっかり噴霧して除菌しておきます。
これで、居付きの菌などを死滅させ、枝枯れ予防にもなります。
冬は月1~2回ぐらい、しっかり噴霧しておきましょう。

また、冬の間にクリプトマルチも消毒しておくといいですね!