これからのオーガニックはどうなっていくのか?
その前に皆さんをはじめ多くの方々に見直して欲しいことがあります。これは簡単なことで、誰にでもわかることです。
植物を栽培することは老若男女、誰にでもできることです!
この当たり前のことをおかしなことにしてしまい、日本人の栽培人口が極端に減っているという事態に陥っています。
食糧危機が来ても栽培できる人が日本人には少ないわけですから、食品自給率を上げる以前に家庭菜園やガーデニング、その他いろいろなことで栽培できる人を増やしていかなければなりません。
「農業は国防だ!」も必要ですが、あなたも栽培できる人になり、その能力を子供たちに残していかないと…人ごとではないのです。
それをおかしなことにしてしまった事実…
農水省は2001年頃に2つを国民に強制しました。
■植物の病害虫防除は農薬でなければならない
■有機JAS以外で「有機」を連想させる文言は使ってはならない
これにより、
子どもが植物を栽培しようとしても病害虫防除は農薬使用を強制されることになります。
子どもが農薬を使わずに栽培すると「農薬不使用栽培です」と言わなければなりません。
そんなバカな話はありませんよね?そうなんです、こんなバカな話はあり得ないわけです。
では、一体誰がこんな馬鹿げたことを言っているのか?
これはカンタンです。日本がどちらに進むか決まっていないから、いろいろな言い分があるだけなんです。
■農薬保護
■有機JAS
■みどりの食料システム戦略
でね、今は見直されようとしています。わかりやすく言うと…
私は農薬保護で批判され、有機JASで批判され、みどりの食料システム戦略で受け入れられだしたと(*^▽^*)
どうしてかというと…
「植物を育てることって誰にでもできることだよね?いつから特別なことになったんだ?」
ということなんです。
そもそも、有機栽培は有機JASの認証を受けた農家しかできないっておかしくないですか?
無農薬栽培は認めないとか、農薬使用の強制とか…
いつから植物栽培は農業が支配する世界になったのでしょうか?
これに林業や公園・施設管理なども含めれば、植物栽培って農業だけのものではないのはおわかりいただけると思います。
そして、これからは上記全てに慣行かオーガニックかを考えていかなければならないわけです。
農薬って農業での薬でしょ?有機JASって農作物の商品規格でしょ?みどりの食料システム戦略は食料でしょ?
植物栽培はもっともっとでっかいわけです!
大局を見みずして小局を語るな!ですね。
でね、いろいろな専門分野がいろいろ変わろうとしている中で…
「精度の高い有機栽培をカンタンに成せるようにしやがれ!こんチクショー!」
って、謎の怒りに応えようとしているのが私やカントクさんです。
有機JASって有機JAS対象品目の農作物限定なので、これを有機栽培とするのはもうなくなるんじゃないかな?
「有機野菜」とか「オーガニック野菜」は残してもいいと思いますけどね。
有機栽培とかオーガニックって、もっと大義なわけです。食だけではない植物栽培全てなんですね。
なのに、家庭菜園家やガーデナーやバラ苗に対して「有機JASでもないのに有機と名乗るな!」って…
実際、有機JAS対象外なんですけどね。そういうことを知らない農家はいないはずですが、SNSでは何故か知らない農家が多いようです。
たくさんの誹謗中傷をネットタトゥーで残してありますが、時代の流れを見て対処する日が来るのでは?と思います。
そして話はオーガニック給食!
給食だから食限定の話にはなると思いますが、たとえば「ミネラル豊富なオーガニック野菜」とするとしても、「どういう栽培手法でどのようにミネラルが豊富になるのか?」の話がされずに、「オーガニック野菜だからミネラル豊富なんだ!」では話がおかしくなります。
慣行と有機、双方ともミネラル豊富になるための栽培技術はあります。そして、有機のほうが効果が得やすいというのは本当です。
ただ、効果が得やすいだけであって、有機だから必ず効果があるとは言えません。有機JASにその技術はあるのかは私は知りませんが…言ったからにはあるんだろうとは思います。
まあ、ミネラルと言っても栽培では微量要素のことなんですけどね。
植物が作れないものは土から摂取するしかないので、どうすれば摂取できるかという…微量要素を土に入れただけでは植物が摂取するわけがないというのも植物栽培技術のおもしろいところですね!
これは人間も同じで、ミネラルを摂取するにも人間は腸…
セミナーみたいに喋り出しました。すみません…(*^▽^*)
ウチの栽培技術であればミネラル豊富を狙う栽培技術はあります。
どうせオーガニック給食をやるのなら、批判やいがみ合いはやらず、いろいろな専門分野から科学を持ち寄ってやれば良いですよね!
いろいろな専門分野が来ればトンデモは排除されるわけだし、トンデモに見えても理や利があるなら受け入れれば良いし。
と、私は思います。
最後に、私が心配しているのは有機JASの存在ですね。
みどりの食料システム戦略で私ら有機JAS以外の有機農業も有機の数に入れることは、有機JASからすればたまったもんじゃないでしょうね。
一方で、慣行農産物も有機農産物も同じく安心・安全なら、有機JASは安心・安全での価値を失うことになります。
そして、有機農産物は健康的まで奪われそうですね。慣行農産物と変わりないと…
そうなれば、慣行側は「環境保全でも慣行農産物と有機農産物は同じ」と持ってくるでしょうから、そうなれば有機JASの価値はゼロになります。
では、有機JASに残された価値というのは何なのか?
本来は「農薬憎し」で始まった有機JASが、何故か消費者を見ようとせずに慣行農業に忖度してしまったように私には見えます。
慣行農産物と比較して、健康的ではない、安心・安全でもない、環境保全も意味が無い存在であれば、消費者は有機農産物の何に価値を求めて選ぶのでしょうか?
消費者は選ばない、農家は販路と単価のためだけ
有機JASブランドが生き残っていくためのオーガニック給食ではないことは信じたいですが…
どうせやるのなら、日本の農業の主流は慣行農業と有機JASの両輪ぐらいにはなって欲しいなと思っています。
そして、有機JAS以外の有機農業はニッチ分野として存在し、かまわないでほしいとも思います(*^▽^*)
まとめますと…
結局は日本はどちらに進むかわからないまま、いつもどおり諸外国に合わせていくんだろうと思われます。
私たちは栽培を知っているので、オーガニックは「食」からではなく「栽培」から見ていきましょう!
そうすれば、これからのオーガニックはどうなるかが見えてくると思います。
世界はどっちに向かって、日本は何を求められるのか?
蓋を開けて見れば、いつもこんな感じかな?とは思います。
だからこそ、日本は日本が培った文化、文明を大事にしていかないといけない!持続させないといけない!
オーガニックも、いかに持続性あるカタチにしていくか?となるでしょうね!農作物限定の有機JASではないと、私はそう思います。
私たちは先人たちが築いてきた植物を育てる技術を大事にしていきましょう!それが日本が目指すオーガニックでもあると、私はそう思っています。