栽培スキルをどん底に落とし込む葉っぱの勘違い…皆さんは大丈夫ですか?

葉っぱって何のためにあるのか?もちろん、バラの生長のためですよね!
でも、多くのバラのガーデナーは「自分の自己満足のため」に葉っぱがあるような育て方をしています。
まあ、見栄えも大事な人が多いから、それは仕方ないことかもしれませんが…
私はバラは健全に育てるべきという考えなので、葉っぱを大事にしない育て方を皆さんにオススメしています。

では、具体的に解説していきます。

葉っぱはどれぐらい必要?

バラの葉っぱの量を「どれぐらい?」で表現するなら、「バラの生長サイクルが健全に行えるぐらい」と答えます。
でも、葉っぱって量じゃないんですよ。大事なのは質なんです。

たとえば、皆さんが大事に大事にしている下葉ですが、上の方の若い葉っぱに比べれば機能は1/10以下です。
いや、もっとかな…1/100でもおかしくないぐらい…

若くてみずみずしい葉っぱ1枚は、緑が濃くて厚くてパリパリな葉っぱ10~100枚分に相当します。
実際、ハイブリッドティの花一つに必要なエネルギー量は、若い葉っぱ2枚あればOKです(*^▽^*)
まあ、あくまで数値的な話ですけどね、古い葉っぱなら20~200枚分ですね。
ただ、葉っぱは傷付いて機能を落とす可能性があるので、若い葉っぱ5枚もあればハイブリッドの花一つはまったくもって安心と考えて大丈夫です。

つまりは…

若くてみずみずしい葉っぱがしっかりあれば、古い葉っぱなんて要らないのがバラなんです。

でも、見た目は良くないですよねえ…それだけのことです。

下葉はまったく必要ない!

「いつまでも下葉を付けているのは下手くそ!」と、私はいつも言っています。

バラって樹木ですから、枝には「伸びる枝」と「支える枝」が存在します。
伸びる枝には若くて高機能な葉っぱが欲しいですが、支える枝には葉っぱなんて要らないわけです。
イメージは杉や檜!
まっすぐ伸びた木に葉っぱが付いていたら…キモいでしょ(*^▽^*)

バラもね、この枝は支える枝なのか伸びる枝なのかを分けて考えてください。
支える枝に葉っぱなんて1枚も必要ありません。
ということは…シュートはやがて支える枝になるので、下葉なんて早々とお役御免になります。
バラも要らないと思っているんですよね。
だから黒点病にも抵抗することなく、むしろ積極的に感染して葉っぱを落としちゃおうとします。

でも、人間の見た目は下葉を欲しがりますよね!
じゃあ、アロンアルファでくっつけとけば?と、私は思います(*^▽^*)

調子に乗りすぎるバラもあります!

バラは品種改良されてきているので、たまに暴走しちゃいます。
サハラ’98とかポールズヒマラヤンムスクとか、葉っぱを付け過ぎちゃいます。
黒点病にかかりやすい品種は、調子に乗りすぎて必要以上に葉っぱを付けやすい傾向にあります。

でも、バラは途中で気付きます…「ほんま、すんません!調子に乗っちゃいました…」って…

でね、バラは不要な葉っぱを落としたくなります。だから黒点病に無抵抗になって感染しやすくなっちゃうわけです。
バラにとって悪戯に葉っぱが多いというのは苦痛なんですね。
葉っぱが多いほどたくさん光合成すると思われていますが、バラが光合成をする量はほぼ決まっていて、いくら葉っぱが多くとも光合成量は変わらないどころか、今は地球温暖化なので葉っぱが多いと水の蒸散に嫌気が差して光合成量をさらに落としてしまいます。

環境や条件に合わせた葉っぱの適量をバラは求めている!

わかってあげてくださいね。

夏は丸坊主でもOKなんです!

夏に葉っぱを落としたいバラはあります。それを暑さに弱いバラと決めつけずに、まずは理解してあげましょう。

バラは性質的には暑さは苦手です。でも、バラは優れた機能を有しているので暑くてもなんとかやっていけます。
ただ、やっぱり苦手な品種もあります。
何が苦手なのか?

熱の放出をするのが苦手な品種は葉っぱを落とそうとする!

人間だって北海道の人と沖縄の人では汗腺の量が違うそうですが、バラだって気孔からの熱の蒸散が苦手なのもあります。
だから、熱がこもらないように葉っぱを落としちゃうんですよね。自分でそうしちゃうわけです。
すごいでしょ?ちゃんと自分で対処できているんです。

一方、熱の放出が苦手なのに放出できないとバラはどうするのか?
葉っぱを厚くパリパリに固くします。葉っぱの細胞の細胞壁にリグニンを溜めて葉っぱの木質化をします。
細胞を木質化できれば、水を失っても大丈夫!熱がこもっても大丈夫!黒点病にもかかりにくい!
でも…その葉っぱが光合成をすることは2度とありません…
でも、落葉しないので「夏に強いバラ」にされています(*^▽^*)

夏に葉っぱを落としたいバラは、その邪魔をすることなく落とせば良い!
でも、上の方の若い葉っぱは付けておいた方が良いので、そこだけ守ってあげましょう!
暑さに弱いのに落葉できないバラは…
葉っぱを木質化しちゃうので、秋には葉っぱが入れ替えできるように夏剪定をしっかりやってあげましょう!

若い葉っぱが欲しいのは春一番花と秋一番花

これについては、いずれ詳しく解説します。
バラは生長サイクルを強く意識して育てるべきなので、次のステップアップと考えておいてください。