SNSでは慣行とオーガニックの対立が続いています。
一方、現場では慣行とオーガニックの共生・共存が進んでいます。
つい最近の出来事ですが…
「ミネラルオーガニック給食」という言葉にワクチン推しや慣行農家を中心とした人たちからの誹謗中傷が目立ち、笑いものにする書き込みが多数ありました。
でも、「ミネラルオーガニック給食」ってそれほど変でしょうか?
ミネラルは「無機」でオーガニックは「有機」です。だから無機有機給食となります。
じゃあ、「チョコクッキー」は?
「チョコ」と「クッキー」でチョコクッキーです。
じゃあ、「鹿せんべい」は?
「鹿」と「せんべい」で鹿せんべいです。
じゃあ、「甘辛い」は?
「甘い」と「辛い」で甘辛いです。
バカにするほど笑えるものなんですかね?私は関西出身ですが、笑いのポイントはまったくわからないです…
私は「ミネラルオーガニック給食」って知らないです。オーガニック側ですが初めて聞きました。
だから、別に「ミネラルオーガニック給食」を擁護するわけではないですが…
私は農家なので、「ミネラルオーガニック給食」と聞けば、
■ミネラルが豊富なオーガニック野菜を使った給食
■人間の身体がミネラル摂取しやすくなるオーガニック野菜を使った給食
どちらなのかな?と考えます。
植物が作り出せないミネラルは、慣行・有機関わらず土にミネラルを持たせて作物に摂取させる必要があります。
それは有機栽培が有利なので、「ミネラルが豊富なオーガニック野菜」は間違いではありません。
また、人間のミネラル摂取には有機酸が大きく関わるので、有機酸を作り出せる有機栽培の土壌のほうが有利になります。
ですから、少なくとも「ミネラルオーガニック給食」のどこに笑いのポイントがあるのか?農家の私にはまったくわかりません。
擁護しているわけではないです。私は「ミネラルオーガニック給食」はまったく知らないので…
「ミネラルオーガニック給食」への誹謗中傷が起きた原因は?
明らかに慣行側のオーガニックへの対立姿勢ですよね。
おそらく、「ミネラル」と「オーガニック」という流行り言葉を2つ並べただけという解釈だと思います。
これ、「疑似科学を許すな」と他人に攻撃している人に多いパターンですね。
「ミネラルとオーガニックという流行り言葉を2つ並べただけ」と思える人のほうが非科学志向で疑似科学の人なんじゃないかな?と、私はそう思います。
問題なのはオーガニックへの対立姿勢なんです!
この対立姿勢があるうちは
「有機野菜は健康的だ!」 →「慣行野菜は不健康と言いたいのか?」
「有機野菜は安心・安全だ」→「慣行野菜は危険だと言いたいのか?」
「有機野菜は環境に優しい」→「慣行野菜は環境に悪影響だと言いたいのか?」
こればっかりですよね…そして次には
「有機野菜は健康と関係ない!」 →「慣行野菜は同じ」
「有機野菜は安心・安全とは関係ない!」→「慣行野菜は同じ」
「有機野菜は環境に優しいわけではない」→「慣行野菜は同じ」
そして近い将来
「日本の野菜は健康的だ!」 →「中国の野菜は不健康と言いたいのか?」
「日本の野菜は安心・安全だ」→「中国の野菜は危険だと言いたいのか?」
「日本の野菜は環境に優しい」→「中国の野菜は環境に悪影響だと言いたいのか?」
そして…
「日本の野菜は健康と関係ない!」 →「中国の野菜は同じ」
「日本の野菜は安心・安全とは関係ない!」→「中国の野菜は同じ」
「日本の野菜は環境に優しいわけではない」→「中国の野菜は同じ」
じゃあ、最初から中国産でええやん?(*^▽^*)
どのような作り方をしても同じ作物、同じ品質、同じ栄養価なわけもなく…
皆さんはバラのガーデナーですが、どのような育て方でも同じように花が咲けば世話ないですよね(*^▽^*)
果物も、同じ品種なのに味が違ってくるのは栄養価が違うからです。甘いの、酸っぱいの、水っぽいの…栄養価の違いですね!
慣行側のオーガニックに対する対立姿勢は、やがて対立姿勢を好む中国が同じような姿勢で臨んでくるかもしれませんよね。
有機JASが力を無くせば、喜ぶのは慣行側ではなく中国になるかもしれません。
そして、そうなれば中国の対立姿勢を日本の慣行側はどう対処していくのか?おそらく、現在のオーガニック側と同じことを言いだすと思います。
私は栽培技術側(自然科学側)なので、社会学的なことはよくわかりません。
ですが、有機JASの存在意義を日本人自ら壊してくのは意味がわかりません。
慣行とオーガニックは対立ではなく、共生・共存
「有機野菜は健康的だ!」
「有機野菜は安心・安全だ」
「有機野菜は環境に優しい」
とても良いことで、これで慣行側が対立姿勢を取る必要などないんです。
「日本は慣行野菜なのに健康的だ!」
「日本は慣行野菜なのに安心・安全だ」
「日本は慣行野菜なのに環境に優しい」
これぞ日本!と、私はそう思います。中国には真似できない日本の強い農業となれば良いと思います。
逆に「慣行農産物も有機農産物も同じだ!」というのは…何の価値があっての言葉なんでしょうか?
日本という狭い市場では日本の農業は行き詰まっているはずです。
その狭い市場を奪い合うよりは、慣行・有機のお互いが共生・共存してグローバル社会に打って出る方が賢明かと…
農水省やJAはそうしたいんじゃないかな?
バラのガーデニングなんかはまさにそうで、
バラブームが去り、とても小さい市場を奪い合うカタチになったけど、伸びたところは狭い市場を奪い合わなかったところだけ…
ウチが奇跡の生き残りをしてますからねえ(*^▽^*)
まとめますと…
■慣行農業
■有機JAS
■有機JAS以外の有機・自然農業
…
対立したり奪い合うのではなく、大局を見据えて共生・共存する道が一番ベストだと私は思います。
どこが圧勝したところで、世界には勝てないわけですから…
私は社会学的にはど素人ですが、これぐらいのことは理解はできているつもりです。