「水遣り3年!」という言葉がバラ栽培のみならず植物栽培でよく言われていますが…
さて、皆さんは植物の水分摂取についてどこまでご存じでしょうか?
これを知っておかないと、水遣り3年という言葉は意味を成さないですよね。
まずは、皆さんが大きく勘違いしやすい点を指摘してみます。
私たち人間の水分摂取というのは口から水分を飲むことでおこないます。
これは間違いありませんね!
ですから、飲み過ぎると大変です。満腹中枢が働かないと、吐いたり胃袋がパンクすることもありえます。
では、次に魚を見てみます。
魚には淡水魚と海水魚がいます。魚の水分摂取は、この淡水魚と海水魚で違ってきます。
淡水魚は浸透圧で皮膚から水分が入ってきます。
よって、水を飲まなくても勝手に水分を摂取しています。
一方、海水魚は浸透圧で皮膚から水分を奪われていきます。
よって、口から大量に水分を摂取していくことになります。
ここで浸透圧について解説しておきます。
海水魚は海水で生きています。海水魚よりも海水のほうが塩分濃度が高いので、海水魚の水分は海水のほうに浸透していきます。
淡水魚は淡水で生きています。淡水魚よりも淡水のほうが塩分濃度が低いので、淡水は淡水魚のほうに浸透していきます。
こういう仕組みを浸透圧と言います。
では、植物は?
植物は、もちろん口がありませんから水分を飲むことはできません。
浸透圧で根に水分が流れ込むようになっているのが植物です。
これは、淡水魚に似ていますよね!
ここで理解できることがあります。
植物の水分摂取は浸透圧によるものである!
植物の水分摂取量は、その植物が持つ浸透圧で決まります。
水遣りの量とか、土の保水率で決まるものではありません。
よって、水遣りが多いと植物が水を摂取しすぎるというのは幻です!
人間の感覚だと、人間は胃袋に水を流し込むので飲みすぎは身体に大きく影響してしまいます。
ところが、植物は浸透圧で水分摂取するので、飲み過ぎるなどということは起こりません。
「水遣りが多かったから実が水っぽいよ…」
「水遣りの回数が多いからバラが枯れちゃった…」
これはあり得ないことです。
原因は水遣りの量でも水遣りの回数でもありません。他の原因です。
植物は水耕栽培でも育ちますよね。
植物は与えた水をすべて摂取などしないのですから、もちろん水耕栽培で育ちます。