「バラの意思」それは…

「バラがどうしたいのか?バラの意思を尊重しましょう!」

これ、私が皆さんによく言っていますよね。
でも、バラの意思って何でしょうか?

ここで皆さんに知っておいてもらいたいのは「ホルモン」です。

バラが大きくなろうとするのも、花を咲かせるのも、落葉するのも、芽を吹くのも、根を伸ばすのも、新しいシュートを出すのも…
これはホルモンがそうさせています。
このホルモンの作用はバラだけではなく、生き物全般がホルモンで動くようになっています。

ホルモンというのは一種の化学物質です。
この化学物質がバラの細胞に作用して、細胞は自身の状態を変化させていきます。
つまり、ホルモンというのは細胞の状態を変化させる物質ということです。
この細胞の変化が根を伸ばすことであったり、花を咲かせることであったりします。

このホルモンによる作用を、私は「バラの意思」と言っています。

ホルモンの働き

では、このホルモンというのはどうして生成されるのか?

これは、バラが外部刺激を受けたとき、それに合わせてバラ自身がホルモンを生成します。
枝葉を伸ばすときはそのホルモンが生成されていて、根を伸ばすときもそのホルモンが生成されています。
これは成長ホルモンと言います。
つぼみを付け、花を咲かせるのは花成ホルモンと言います。

バラには生長サイクルがありますよね。
この生長サイクルは、バラが外部刺激を受けることで生成するホルモンによって起こります。

ホルモンを投与する…!?

皆さんはバラを思い通りに育てることができればラッキーですよね?

これ、実はとても簡単です。ホルモン投与すれば良いのです。
バラを大きくしたいときは成長ホルモンを投与し、花を咲かせたいなら花成ホルモンを投与します。
そうすれば、バラは皆さんの思い通りに動いてくれる!

はずですが…

生き物は機械ではありませんから、もちろん思い通りにはなってくれません。

その典型が根頭癌腫病です。

バラが癌腫病に感染すると、成長ホルモンを異常分泌します。よって、感染苗の生育はとても良くなります。
「癌腫病もまんざら悪いモノではないなあ…」
しかし、そのうち成長ホルモンの異常分泌に耐えられなくなったバラは活性を大きく落とします。
ホルモンって怖い物でもあるのです。

このホルモン異常は私ら人間やペットなどでも起こります。
必要なホルモンを生成できなくなったら、ホルモン投与という治療を行いますよね。

では、バラにも効果がある?

もちろん、効果はあります。でも、やりません。
その理由は…

「人間は右肩上がりに成長し、バラはローテーションで成長する」

前回の記事にある、これが大きく関わります。

正常にホルモンを生成してもらうには…

人間やペットは、成人するとそれ以上の細胞分裂は起こりません。
よって、ホルモン生成する能力が取り戻せなくなることが多いですよね。

でも、バラは細胞分裂を枯れるまで続けていけます。
ですから、細胞分裂できる若さあれば、ホルモン生成はいくらでもできるようになります。
無理や無茶などする必要はまったくないのです。

では、バラに正常にホルモン生成してもらうにはどうすれば良いでしょうか?

・健全に健康に育てていく
・肥料過多にしない
・農薬に依存しない
・軽い水涸れなどさせない


などなど、ピーキャット流で普通に行われていることがホルモンの正常生成に大きく関わっています。

このようなことを皆さんにわかりやすく解説しているのが、ピーキャット流です。

「バラの意思を尊重する」→「人間がバラに合わせていく」

言っていることは同じですよね!

ホルモンの話はあとで、しっかり解説します。
まずは皆さんは「バラの意思を尊重する」を大事にしてください。