私は20年前から「バラ栽培でお礼肥なんて要らない!常軌を逸したことだ!」とずっと言ってきました。
ゆうきの園芸ショップでは、お礼肥はダメとハッキリ言っています。
そもそも、寒肥やお礼肥はどういうことなのか?
もちろん、農業から入ってきた言葉です。
そして、「バラさん、バラさん、綺麗なお花をありがとう!」というメルヘンチックな世界とマッチし、バラ栽培でお礼肥というおぞましいことがされるようになりました。
リンゴならいいんです…
ではまず…
農業でのお礼肥というのはどういうものなのでしょうか?
お礼肥は”肥やし時代”の話で、リンゴを収穫した後、野菜なら収穫した後に土の栄養が使われてしまったので肥やしを入れておくというものです。
畑への感謝、畑の神様へのお供え的だったのに、いつの間にかリンゴなどの作物へのお礼となっていきました。
ただ、リンゴはかまわないんです。
リンゴの収穫後は、リンゴの産地ならもう冬…雪が積もる前にお礼肥するのは寒肥と同じ意味!
年に1回のお礼肥もしくは寒肥…お礼肥の「肥」は土に入れる肥やしなので堆肥のこと!雪が積もる前に堆肥を入れておこうということです。
つまり、リンゴにとってはお礼肥も寒肥も同じですよね(*^▽^*)
バラ栽培の場合…
バラ栽培の場合、お礼肥は花が咲いた後、つまり春に2回咲いたらお礼肥を2回、秋に2回咲いたらお礼肥を2回…
どんだけ肥料をぶち込むねん…
そして寒肥まで…
しかも、堆肥と肥料の区別が付いていないから肥料を使っちゃう…
常軌を逸していることが栽培技術だと思われちゃっています…そりゃ病害虫だらけで農薬使わないと育たないよね…
そもそも、バラは花が咲いた後は次の花に備えてサイトカイニン優勢でありたいわけです。
なのに、お礼肥という肥料をぶち込まれてオーキシン優勢にされちゃう…
リンゴや梨も収穫後にお礼肥という肥料をぶち込まれたら、実が無いのに肥料をぶち込まれてオーキシン優勢なのに落葉してしまうという拷問状態…
サイトカイニン優勢、オーキシン優勢の話が分からない人はこちらの記事を読むのだ!
品質(オーキシン優勢)か収量(サイトカイニン優勢)かの選択
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バラと成長ホルモンの関係を関西のおっさんで解説します
昔と今は違うのです!
昔はね、東京でも12月に雪が積もっていた。雪が積もるとなかなか溶けなかったから、その前に肥やし(堆肥)を入れておくのはとても良いこと!
昔は肥やしが貴重だったので、お礼肥、寒肥と2回も与えることはありませんし、肥料ほど高濃度に栄養を与えることもできませんでした。
バラ栽培でのお礼肥は…おそらくバラの先生がエンターテインメントでのパフォーマンスでお礼肥を持ってきたんだろうと私は推測してます。
もしくは、リンゴと同じく一季咲き時代の名残なのか…
でも、普通に考えて常軌を逸しているので…私は20年前からお礼肥は否定してきました。