なんとなく納得してしまう!?お悩み相談の答え
「水遣りが多いと根腐れします。水が多いと根が緩慢になります!」
これ、どの分野が出してきた栽培技術かご存知ですか?
分野???
考えたことなかったにゃ~
栽培技術?ガーデン技術?育種家?もしかして、生産?
いやいや、この話は「販売が出してきた栽培技術」です。
正解なら良かったんですが、まったくもってデタラメです。
今まで信じていた方、バラ栽培はとんでもないことになっていたはずです。
大丈夫だった方は、バラの強さに感謝しましょう!
「水遣りが多いと根腐れします。水が多いと根が緩慢になります!」
この話のルーツは、バラが上手く育たない一般ガーデナーの問い合わせに対して、
その原因がハッキリしないときに、とりあえずあしらっておくために生まれた言葉です。
すみません、バラの元気が無いのですが、どうしてでしょうか?
バラはどんな感じですか?
水とか肥料とかはちゃんとやってましたか?病気は?
水切れはさせていないです。
肥料も規定量与えてました。
病気は出てないです…
それ、根腐れ起こしてますね。
頻繁な水遣りは根腐れしたり根が緩慢になります!
確かに、乾いていないのに水遣りしたことがあります!
それが原因ですか!
「水遣り3年」と言います。水遣りって結構難しいんですよ。
水の与えすぎには注意してください!
さすがバラの先生!
これだけでバラの元気がない理由がわかるんですね!
茶番劇のような良くある話(*^▽^*)
実際、私のところに質問や相談に来られる方で「苗を購入したところで質問したら水遣りが多いと言われたのですが…」と、とてもよく聞きます。
いや、ムッチャ聞きます(*^▽^*)
問い合わせ担当はカスハラやクレーマー相手もあるし、大変なので気持ちがわからないわけではありません。
そもそも、バラに元気が無いのですが…といきなり質問されても、その原因がすぐにわかるはずもなく…
いろいろ聞き出そうとすると、「私はちゃんとやっているのに、私が悪かったとでも言いたいのか!」なんてキレてくる人もいます。
ろくな情報もなく、それでも原因を解明できるのはバラの神様しかいません(*^▽^*)
栽培技術側の私でも無理ですよ…ムッチャ聞き出して、間違いない回答をするように心がけています。
たまに魔が差すことは…ありません(*^▽^*)
ゆうきの園芸ショップはあしらう回答はタブーです!ただ、気持ちがわからないわけではない…
でね、気持ちはわかるんだけど「水遣りが多いと根腐れします。水が多いと根が緩慢になります!」はデタラメです。
なのに、このデタラメをいろいろな店が使いすぎて、これが常識レベルに正解になってしまっています。
よって、バラ栽培が難しい、バラを育てるのを失敗する人が続出します。
「水やりが多いと根腐れする」を理論的に解明します!
では、栽培技術として理論的に話します。
植物の細胞というのは動物の細胞と違って伸び縮みはせず、常に細胞は水でパンパンになっていなけれないけません。
バラの若いシュートは水が不足するとうなだれちゃいますよね?あれ、細胞内の水が不足するからそうなるんです。
細胞内の水がパンパンじゃないとうなだれる…常にパンパンにしておかないといけませんよね!
いくら土の中の水が多くても、植物は水を浸透圧で摂取するので必要以上には摂取できません。
動物だと胃に流し込むので飲んだら飲むだけ摂取しますが、植物はそういうことにはなりません。
よって、いくら水遣りが多くても水を摂取しないのが植物です。
根腐れというのは酸素を含んでいない水の中で生きる嫌気性微生物によって起こります。
水遣りの水というのは酸素をたくさん含んでいますので、いくら水遣りしても嫌気性微生物は発生しませんので、水遣りが多いから根腐れするということはあり得ません。
逆に水遣りをしないと土に溜まっている水の酸素が抜けてしまい嫌気性微生物が増殖することになり、これによって根腐れが起こることになります。
水遣りが多いから根腐れするのではなく、土が乾かないからと何日も水遣りをしないことで根腐れが起こります。
頻繁な水遣りで根腐れが起こるのではなく、水はけの悪い土や鉢に溜まった水が根腐れの原因になるというわけです。
バラは好気性土壌で育ちますが、水耕栽培でも育つことができます。
水が多いと根が緩慢になるというのは間違いで、水耕栽培はオーキシン優勢を続けやすいので根はとても長く伸びます。
などなど…
水遣りはしっかり!水遣りするかどうか迷ったら絶対に水遣り!
私から習っている方々はこれをしっかり取り組んでくれていますが、これだけでバラ栽培がカンタンになったと実感する人が多いです。
つまり、デタラメを信じていたから栽培が難しかったと…そういうことです(*^▽^*)