同じ畑の同じ列に定植した台木のトゲナシノイバラです。
こんなに生育が違ってきます。個体差が大きいですよね
皆さんの中で、腕が良い人は早く大きく育てることができると思っちゃっている人はいませんか?
やたら成長していたり、やたらシュートが多かったり、根が鉢いっぱいに張っていたり…
「大きいだろう!すごいだろう!」って自慢するのはかなりの時代遅れなんですが、まあ相撲部屋みたいな庭ですねえ(*^▽^*)
そもそも…バラは大きくなるんでねえ…
私ら生産者は大きくなってもらっちゃ困るので、できるかぎり大きくさせないように育てるんです。
上記の台木の写真ですが、左の台木は廃棄します。これにつるバラやハイブリッドティでも接いだらムッチャ大きく育つかもしれませんが…
それに何の意味も無い!というか、そんなのは薔薇のガーデニングではありません。
右の台木は伸びしろが大きいので、これに接ぐことでガーデニングで楽しめる苗になります。
上記の写真の台木、実は同じ畑の同じ列に定植したトゲナシノイバラなんです。
そして、畑は有機土壌、6月に爪楊枝ぐらいの太さの苗を植え付け、最低限の有機肥料で育て、1月に掘り上げたモノです。
同じ環境と条件で育てたトゲナシノイバラなのに、こんなに個体差が出るんですね!
これに化成肥料でも使えば…
背が高くてぶっとい台木はいくらでも作れます(*^▽^*)
大きい大きい自慢をやるのは初心者だけ!
新苗からであろうが、大苗からであろうが、鉢植えからであろうが、台木の定植であろうが…
大きくするのは、育てる基本ができていたらムッチャカンタン(*^▽^*)
なのに、どうして薔薇のガーデニングは「大きい大きい選手権」をやりたがるのでしょうか?
どうして大きく育つことで承認欲求を得たくなるのでしょうか?
それはね…
昔の栽培方法は「恵まれた環境でないと上手く育たない栽培方法」だったからなんです。
上手く育てるのが難しいバラ栽培だったので、大きく育つと「俺様は凄いだろ!」ってなっちゃう…
私からすれば、趣を感じないしょうもない承認欲求にしか見えないんですけどね…
今は、グレイパールやルシファーですら無農薬で元気に育てられる時代!
貴方の育てる環境に合った育て方でバラと触れ合い、遊んでいきましょう!
大きく育てることよりも、コンパクトに長く元気に育てる方が数百倍は難しい!
上級者、プロレベルというのは、そういうことなのです(*^▽^*)
大きい大きい選手権は他にやらせておいて、私たちの薔薇のガーデニングはバラと触れ合い、バラと遊ぶことが第一です!
写真のように、台木からしてこれだけ個体差が出るのがバラなのです。
大きいから小さいからと気にせず、個体差も楽しめるようにしていきましょうね!
ちなみに、上記の台木も3~5年経てば個体差は無くなります。
樹木というのはそういうモノなのです(*^▽^*)